
中学のときの友達に、毎日みんなからローテーションで10円ずつ借りていた子がいた
帰りに学校前の商店で菓子パンを買う
それがその子の夕食だった
誰も、金を返してくれとは言わなかった、言えなかった
Tシャツやジャージを貸しっぱなしの者もいた
本屋に行くと、みんなが音楽雑誌を立ち読みしている間に、その友達はマンガを万引きした
驚くほど手際がよかった
寺の境内でマンガを読み、読み終わると古本屋で売っていた
学校で何かの材料費が払えず、先生が払ってくれたと言っていた
月に一度、父親が来て「これで食べるもん買え」と1万円だけ置いていくという
その子は祖母と二人、古い長屋で暮らしていた
もちろん高校へは進学できなかった
景気の良かった35年前、バブル期のことだ
政府が、自国の子どもを本気で助けたことがあっただろうか?
子どもの貧困は今に始まったことではない、昔からずっとあった
私が国を信用できなくなった理由は、そういう思い出の積み重ねもある